AI(人工知能)を活用した不動産査定のメリットとデメリット

   

AI(人工知能)は日進月歩のスピードで進化しています。そのAIを活用した不動産査定や評価がはじまっています。人が行う従来の方法では曖昧だった不動産価格が、AIの機械学習によってより正確な査定・評価が実現するようになってきています。そんなAI不動産査定のメリットやデメリットについて書いてみました。

不透明だった不動産売買の実態をAIが暴く

不動産の価格を評価するのはとても難しく、今ままでは不動産鑑定士や不動産仲介業者が近隣の相場や、取引事例を参考にして決めてきました。

価格を算出する基準はあるものの、個別の事情が強く反映される不動産の性質や担当者の力量の差によってどうしても評価する価格や査定額に大きな違いがでてしまっていました。

AI(人工知能)は膨大なデータを収集することで、鑑定士や営業マンの能力による評価額の差を失くすことができます。

査定の透明性が高くなるので、必要以上に安く売ってしまって後悔した…といった悲しい思いをすることも亡くなっていくことでしょう。

透明性が高くなれば不公平な取引が減る

査定の透明性があがるということは、不公平な売買取引を減らせることができます。

不動産業界は非常に特殊な世界で、売買取引の実態額が表に出てきにくいので、情報を持つものと持たないものの格差がとても大きい業界です。

不動産営業マンは常に最新の取引情報に接することができますが、一般ユーザーはほとんど触れることがないため格差の大きさがそのまま不公平な取引となってしますんです。

最近ではネットの影響もあり少なくなってきましたが、お客さんが不動産情報に疎いのをいいことに、格安で売り出して建売業者やリフォーム業者に購入させて1回目の手数料を取得し、さらに業者が購入した物件を販売するときにまた仲介として介入して手数料を得る。といった手口の商売をしていました。

今でもあることはありますが、ネット上で情報があふれてきているのでそこまで露骨なことはありませんが、今でも似たようなことは行われています。

情報格差による搾取からユーザーを保護するためにも、AIによる自動査定は絶対に必要になってくるツールといえます。

AI不動産査定のメリット

AI不動産査定を活用することで、ユーザーは不動産売却にとって大きなメリットを得ることができます。

不動産価格の相場がすぐにわかる

AIは常に最新情報を入手しデータを更新しています。蓄積したデータに合わせて査定を行うので迅速な価格を知ることができます。

人が行う査定では過去の相場を調べ、取引実例を探し、自社で分からなければ知り合いの不動会社に電話をして相場を聞き…といったふうに査定額を確定させるのに時間がかかってしまいます。

そういったことが無くディープラーニングによる学習効果によって即座に不動産の評価を行えるのがAI査定の強みのひとつです。

主観のない公平な価格がわかる

あたり前の話ですがAIはコンピューターですから、感情がありません。

感情がないというのはメリット・デメリットありますが、こと不動産査定においては、感情をもっていないほうが客観性の高い不動産の評価をすることが可能になります。

人がおこなう査定では個人の経験や知識にものすごく影響されます。経験や知識は人によってばらつきがあるので、ときに今現在の実勢価格とズレてしまうことが多々あります。

人工知能で行う査定であれば、人間特有の感情による価格の波を抑えて、今現在実際に取引されている状態に近い価格をはじき出してくれます。

AI不動産査定のデメリット

人工知能を使った不動産査定は十分メリットがあり将来的には、不動産査定を行う主軸となるでしょう。

しかし今現在の段階ではまだまだ始まったばかりの新しいサービス。デメリットが無いわけではありません。

対応地域が少ない

今スタートしている人工知能を活用した不動産査定は、そのほとんどが首都圏や大阪といった都市部のみのサービス展開となっています。

まだ始まったばかりのサービス形態ですからこれから広がってはいくと思われますが、今現在はまだまだ一部の人のための手法といった感じです。

不動産取引が少ない地域では精度が落ちる

AI(人工知能)はディープラーニングと呼ばれる手法で自己学習していきます。

不動産査定の場合には過去の取引データや不動産の条件といったものを数値化し、人工知能に知識を与えることで賢くなり、不動産評価の制度もあがっていきます。

しかし頻繁に取引が行われていない地域ではデータが少なすぎて、そもそも学習することができません。

まだ地方都市を対象とした人工知能を使った不動産査定というのはありませんが、今後スタートしても精度がなかなかアップしないことが考えられます。

また都市部でも近隣に売買実績が少ないとなると、AIが算出した不動産評価価格の精度が高くないという可能性があります。

高く売れる可能性を見過す

不動産が予想以上に高く売れるときには理由がありますが、その一つに既存のお客さんがいた、というケースです。

不動産仲介会社には家を探しているお客さんのデータがあります。

どの地域でいくらぐらいで、どんな属性のお客さんがいるのか?というのが分かります。

『長く探しているけどこだわりがあってなかなか見つけられない。』

こういったお客さんを抱えている不動産仲介は、査定額も高くなり実際にその値段で売れるということが珍しくありません。

今のところAI査定の学習過程では、潜在しているお客さんのことをデータとして取り入れているというのを聞いたことがありませんので、高く買ってくれるお客さんを見過し、せっかくの高値売却のチャンスを奪ってしまう可能性はあります。

いい営業担当者を選ぶ機会がない

AI査定の活用方法はたくさんありますが、マイホームの売却において考えられるデメリットとしては、営業担当者を選ぶ機会がなくなってしまうという面があります。

不動産投資の参考指標として調べるならAI査定で評価をチェックするだけでいいですが、マイホーム売却の場合は売買契約から引き渡しまでやることは非常にたくさんあります。

引渡しまでの契約や手続きは一般の人が自分で行うのはほぼ不可能です。そのために多くの人が高い手数料を払って不動産仲介に依頼をしているんです。

ただし不動産仲介の担当者もピンからキリまでさまざまです。入社したばかりの新人や、経験の浅い営業担当者では一般人とかわりません。

そこで一括査定などを使って複数の不動産仲介とやり取りをし、信頼できる不動産仲介を選ぶということが非常に重要なんです。

そういった選ぶ機会を失くしてしまうのは、現段階ではまだまだ危険ですのでマイホーム売却においてはAI査定だけに頼ってしまうのは危険と言えるでしょう。

AI不動産査定があれば人間が行う査定は不要?

今現在の段階ではまだまだAIによる不動産査定は十分とはいえないと思います。

ただしこれからどんどんアルゴリズムが発展し、AIが吸収する知識が増えていけば人間に変わって一切の査定をする日もそう遠くないでしょう。

しかし今はまだそこまでの状態まではいっていません。いっていませんが、活用する分野はあります。

投資の指標として利用するには最適

すでに不動産投資の判断材料としては機能しているようです。

私は不動産投資はしていないので実際にどの程度の活用が進んでいるのか詳しいことはわかりませんが、案件が入った段階ですぐに不動産価格をはじき出すことができるのはスピード感が大切な投資の世界とぴったりなはずです。

しかも世界中から投資家があつまってくる首都圏ですから、データも日々更新され非常に精度の高い査定を可能にしてくれるでしょう。

マイホーム売却時はAI査定だけじゃ不十分

不動産投資の参考としての価値は十分に発揮しはじめていますが、マイホームを売却する方にとってはまだ少し時期尚早といった感はあります。

地域性もありますし、マイホームは個別事情によって大きく価格が上下することも珍しくありません。

やはりまだまだ人が行う査定をせずに、AI査定だけに頼るのは危険ですし、せかっくのマイホームを適正価格で売ることができなくなってしまうかもしれません。

とはいえAIを使った不動産査定が無意味というわけではありませんので、対象地域にあるマイホーム売却を考えているのであれば、AI査定をしつつ一括査定などで複数の不動産会社の査定を受けておくことをおすすめします。

AI査定と専門家による査定価格の違いもわかりますし、なにより自分のマイホームを満足価格で売却できる可能性が広がります。違いをみてみると意外な発見もあるかもしれませんね。

まとめ

AI(人工知能)を活用した不動産査定がスタートし始めています。客観的にデータを分析し、実際の販売価格を算出する新しいサービスです。

今現在は首都圏や一部都市圏だけがサービス地域ですが、年々精度を上げ利用者も増えてきています。

とくに不動産投資においては即座に相場価格がわかるAI査定は抜群の相性です。

その反面マイホーム売買といった自己所有の不動産の査定においては、まだまだ人の力も必要です。両方を上手く使っていくことで満足な売却をすることが可能になるでしょう。

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