不動産の土地と建物の価格を知りたいときは?

2017/01/13
建物価格と土地価格
確定申告で減価償却するときや、各種税額を計算するときに、建物価格と土地価格を分けて計算する必要がでてくることがあります。
こんなとき土地と建物を別々に購入して、個別の金額が分かっていればすぐに計算ができるので問題はありません。
しかし建売住宅を購入した場合や、相続不動産で取得時の経緯が分からないケースなどでは、土地と建物の価格を調べるのが困難なときがあります。
このようなときはどうやって建物価格と土地価格を調べるのでしょうか?
その方法をご紹介していきたいと思います。
1、購入時の契約書をチェック
まず、対象となる不動産を購入したときの契約書や、重要事項説明書が残っていないかどうか探してみましょう。
建売住宅では契約書に建物代金と土地代金の内訳が書いてあることがあります。
契約書に記載があれば面倒な計算もしなくて済むので、まずはよく探してみましょう。
2、消費税額から逆算
契約書があっても、契約書に建物と土地の内訳が書いていないことがあります。
そのようなときは契約書に消費税が記載されていないか、チェックしてみましょう。
消費税は土地にはかからず建物のみに発生しますので、消費税から逆算することで建物代金と土地代金を求めることができます。
たとえば総額4,000万円の売買契約で、消費税が120万円だったとします。
まず消費税から建物代金を求めるには消費税を税率で割ります。
120万÷8%=1,500万円
消費税が120万円なら建物代金あ1,500万円であることが判明します。
土地価格は総額から建物代金と消費税を引きます。
4,000万円-1,500万円-120万円=2,380万円
2,380万円が土地価格になります。
3、建物の標準的な建築価格から算出する
契約書がなく、消費税すらもわからないということも考えられます。
そのときは国土交通省が発表する、建物の標準的な建築価格表から計算することができます。
国土交通省~建物の標準的な建築価額表
https://goo.gl/jRtbQW
年代別、構造別に1㎡の単価が掲載されていますので、所有不動産に合わせて計算することができます。
たとえば昭和52年築の100㎡の木造の建物代金を知りたいとします。
建築価格表をみると昭和52年の木造建物は74.1千円=74,100円ということが分かります。
建物は100㎡ですので1㎡単価に100を掛けます。
建物価格は74,100円×100=7,410,000円ということが分かります。
4、土地価格の計算
契約書が無くなってしまっているときでも建物価格は上記3の方法で計算できることがわかりました。
しかし、総額がわからない以上土地価格をだすことができません。
土地価格はどうやって計算すれば良いのでしょうか。
いくつか計算の方法はありますが、当時の近隣での売買事例などを調べることができればそれを参考にして計算することができます。
土地価格についてはある程度の客観的合理性があれば良いとされているので、残っているデータを利用して参考にすれば算出することができます。
一例では不動産の売却価格に『市街地価価格指数』というデータを掛けて計算する方法があります。
客観的合理性があれば問題ないので、かならずしもこの方法でなければいけないということでもありません。
まとめ
土地価格と建物価格の内訳が知りたいときは、まず契約書や重要事項説明書を探してみましょう。
内訳の記載があることもありますし、消費税だけでも確認することができます。
総額と消費税がわかれば建物と土地の内訳を調べることができます。
契約書などの資料を紛失していても国土交通省のデータや民間発表のデータを利用して土地価格、建物価格を算出することができます。