不動産売却のためのやさしい減価償却計算法

下降グラフのクレイアート

      2017/06/29

減価償却はややこしい?

『減価償却』と聞いただけでアレルギー反応を起こす人がいるぐらい、とても面倒な作業とされているのが減価償却費です。

個人事業主のかたなどは自分で確定申告をしていると思いますので、その面倒くささを実感されているかもしれません。

家を売却して利益が発生した場合、譲渡所得を計算しなければいけません。このとき減価償却費用を計算することがあります。

面倒なイメージが強いですが、ゆっくり紐解いていけばなにも難しいことはありません。

一般的に家やマンションの売却時には、仲介の担当者が計算してくれるので自分で計算をすることができなくても全く問題ありません。

しかし仲介の担当者とはいえ勘違いやミスをする可能性があります。ミスを防止するうえでも計算の仕方ぐらいは知っておいても損はありません。

ここでは最初に計算方法を説明しています。

前半の説明でわからなくても、後半で例題を使って計算していますので、それに沿ってやってみると意外にかんたに計算ができると思います。

減価償却費を求めるかんたんポイント

建物の減価償却を求めるには3つのポイントがあります。

1、建物と建物附属設備の仕訳

2、耐用年数のチェック

3、取得(購入額)の確認

この3つのポイントを確認したら、あとは簡単な計算をするだけです。

減価償却費を計算してみよう!

1、建物と建物附属設備の仕訳

減価償却を計算するときには建物と建物附属設備をわけて考えます。

ただし木造や合成樹脂作り、木骨モルタルの建物については建物と建物附属設備をわける必要はありません。

それ以外の素材で建てられた建物(鉄筋コンクリート造のマンションなど)を減価償却するときには、建物と建物附属設備を分ける必要があります。

マンションの場合、契約書や契約時の書類に設備に関する書類が必ず添付されていますので、契約時の書類を確認してみましょう。

<建物附帯設備の例>

・電気設備(照明設備含む)
・給排水設備
・ガス設備
・空調設備

など

書類が見つからず設備の内容が分からないのであれば建物に一括してしまうことも可能です。しかし建物と建物附属設備をわけたほうが節税になることがあるので念のため調べておきましょう。

2、耐用年数と償却率の確認

建物と建物附属設備の仕訳が終わったら、耐用年数をそれぞれチェックしていきます。

耐用年数は建物の構造や建物附属設備の種類によって変わってきます。

建物の耐用年数

木造:33年

軽量鉄骨:40年

鉄筋コンクリート:70年

建物附属設備の耐用年数

電気設備:15年(蓄電池設備:6年)

給排水設備:15年

ガス設備:15年

空調設備:15年(22kw以下13年)

エレベーター:17年

耐用年数が分かったら償却率表を使って償却率を求めていきます。

耐用年数表

定額法と定率法

耐用年数表には定額法と定率法という2つの方法がありますが、平成10年以降の建物は定額法でのみ算出することになっています。

建物附属設備に関しては定額法か定率法を選択することができますが、届け出が必要になります。

また税制改正によって平成28年4月1日以降の建物附属設備については建物と同様に定額法での計算のみとなります。

購入金額と耐用年数、償却率が分かったらあとは計算するだけです。

減価償却費=購入金額×償却率×使用年数

例題で計算してみよう!

実際にどのように計算するの順番にやっていきましょう。計算をシンプルにするために建物だけで計算していきます。

木造戸建て

建物購入代金:1,500万円
築年数:13年(平成15年築)

建物の償却費

木造耐用年数:33年

耐用年数表より定額法33年の償却率を利用します。

定額法償却率=0.031

減価償却費を求める式は以下のようになります。

購入金額×償却率×築年数=減価償却費

1,500万円×0.031×13年=604.5万円

604.5万円が償却され、現段階での机上の建物価値としては895.5万円となります。

建物附帯設備の計算方法

建物附属設備についても計算方法は同じです。

耐用年数に応じた償却率を調べておき、取得価格×償却率×年数で計算しましょう。

たとえば上記の例で給排水設備が100万円とします。

給排水設備の耐用年数は15年です。耐用年数表で15年を調べると償却率は0.066になります。

100万円×0.066×13年=85.8万円

減価償却費は85.8万円となり、現段階での机上の設備価値としては14.2万円ということがわかります。

まとめ

減価償却費を求めるのはかんたんです。

建物と建物付随設備を仕訳して取得(購入)価格を算出します。

建物の構造や建物付随設備の種類を調べ耐用年数を調べます。

耐用年数が分かったら提要年数表を利用して償却率を調べます。

償却率が分かったら計算式に数字を当てはめて計算して終了です。

減価償却費=購入金額×償却率×使用年数

 - 不動産の税金