譲渡所得による住民税と所得税

   

譲渡所得について

不動産を売却して、利益が発生した場合には利益の額に応じて住民税や所得税がかかります。

個人が不動産の売却によって得た利益は、給与所得などの所得計算とは別に計算する必要があります。このような仕組みを分離課税といいます。

不動産売却は一時的な収益のため、給与所得などに合算してしまうと住民税や所得税がその年だけ急激に上がってしまいます。そのような個人の負担を避けるためにこのような分離課税制度がとられています。

譲渡所得の求め方

譲渡所得はその不動産を買ったときの価格よりも高く売れたときに発生します。これは一般的な商売と同じ考え方ですね。商品を仕入た値段より高く売ったときにでるのが利益です。また、仕入れにかかった費用や販売に関する費用は経費として認められます。

譲渡所得の考え方も全く同じです。家を購入するときにかかった費用や、売却するときにかかった費用を取得費や譲渡費用として差し引くことができます。

計算式にすると次のようになります。

譲渡所得=売却額-(取得費+譲渡費用)

例題で考えてみましょう。

※例題物件データ

木造一戸建て
築9年
居住9年

◆購入時
購入価格 3,000万円
(建物1,500万円、土地1,500万円)
購入時仲介手数料 103万円登記費用   20万円
印紙代 2万円
減価償却費 377万円
※減価償却費の詳細はこちら

◆売却時
売却額 4,000万円
売却時仲介手数料 136万円
登記費用 2万円
印紙税 2万円

では譲渡所得の計算をはじめてみましょう。先ほどの譲渡所得を求める式をもう一度みてみます。

譲渡所得=売却額-(取得費+譲渡費用)

1、取得費を求める

売却額は4,000万円ということがわかっていますので、取得費を算出します。取得費は購入価格と購入にともなって発生した費用から減価償却費を差し引いた額になります。

購入価格の3000万円に仲介手数料103万円、登記費用20万円を足して、減価償却費377万円を差し引いた金額が取得費になります。

取得費=購入価格+購入経費-減価償却費

3,000+103+20+2-377=2,748万円

取得費=2,746万円となります。これで取得費が判明しました。

譲渡所得=4,000万円-(2,748万円+譲渡費用)

2、譲渡費用を求める

残るは譲渡費用だけです。譲渡費用を求めるのも簡単です。

譲渡費用は直接売却にかかわったときの費用で、代表的なものでは仲介手数料、登記費用、測量、解体費用、印紙税などが該当します。

今回の例では仲介手数料と登記費用、印紙代が譲渡費用に該当します。

売却時仲介手数料 136万円
登記費用 2万円
印紙税 2万円

136+2+2=140

譲渡費用=140万円

これで譲渡所得の算出が可能になりました。

譲渡所得=4,000万円-(2,748万円+140万円)

譲渡所得=1,112万円となります。

住民税と所得税の求め方

譲渡所得には住民税と所得税がかかります。

住民税=譲渡所得×住民税率

所得税=譲渡所得×所得税率

さらに平成25年から平成49年までは所得税に復興特別所得税がかかります。

復興特別所得税=所得税×2.1%

住民税率と所得税率は不動産の所有期間によって税額が異なります。

短期譲渡所得(売却不動産の所有期間が5年以下)
住民税率9% 所得税率30%

長期譲渡所得(売却不動産の所有期間が5年超え)
住民税率5% 所得税率15%

先ほどの例題だと…

譲渡所得=1,112万円
居住9年=長期譲渡所得

住民税:1,112万円×5%=55万6千円

所得税:1,112万円×15%=166万8千円

復興特別所得税:166万8千円×2.1%=約3万5千円

となります。

特別控除、軽減税率

売却によって支払う税金は頭の痛い問題になることがありますが、マイホームの譲渡所得には特例や軽減税率があります。

たとえば今回の例題のようにマイホームとして使用していた不動産で1,112万円の譲渡所得がでても、3,000万円特別控除を利用することで課税の心配はありません。

不動産売却にはいくつかの特別控除や軽減税率、買替特例などがあるので積極的に活用して節税を図りましょう。

 

 

 - 不動産の税金