短期譲渡所得と長期譲渡所得のポイント

2種類の棒グラフと矢印

      2016/05/28

2種類の譲渡所得

不動産を売却したことによって利益が発生することがあります。

不動産を売却することによって発生した収益のことを『譲渡所得』といいます。

所得には他に給与所得や事業所得、利子所得といったものがあります。

日本では総合課税制度といって、すべての所得を総合して課税するのが基本的なスタンスです。

しかし、土地や建物の売却による譲渡所得については、給与所得や利子所得のような他の所得と合算することなく、別枠にして課税することになっています。

このように個別の所得に対して課税をすることを分離課税制度といいます。

譲渡所得のように分離課税制度の対象となるものは、確定申告を行うことによって納税をします。

申告する必要があるため正式名称は『申告分離課税制度』といいます。

譲渡所得が発生したら確定申告をします。そのときにポイントとなるのが譲渡所得の区分けです。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の区分け

譲渡所得は2種類の区分けが行われます。

それが、短期譲渡所得と長期譲渡所得です。

短期譲渡所得

短期譲渡所得とは譲渡(売却)した年の1月1日の時点で所有期間が5年以下のもののをいいます。

長期譲渡所得

長期譲渡所得とは譲渡(売却)した年の1月1日の時点で所有期間が5年を超えるものをいいます。

区分けするときに気を付けたいポイントは、区切りとなるのが譲渡(売却)した年の1月1日になるということです。

所有を始めた日は所有権移転が起こった日になりますが、区切りとなるのは売却した年の1月1日なります。

たとえば平成20年4月1日に住宅を購入して引き渡しを受け、その住宅を平成25年6月1日に売却して買主に所有権の移転をしたとします。

このケースでは実際の所有期間は5年を超えています。

しかし、譲渡所得の区分けをするときは売却した年の1月1日(平成25年1月1日)になるため、所有期間が4年9ヶ月となり短期譲渡所得の区分となります。

次の項目で説明しますが、短期譲渡所得と長期譲渡所得の税率では合計19%の差があります。

さらに平成49年までは所得税の額に応じて復興特別所得税が発生します。

区分けの計算を間違えると税額が大きく変わってしまいます。開始地点は実際の所有権を得た日、終点は売却した年の1月1日になる、ということに気を付けておきましょう。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の税率

譲渡所得には所得税と住民税がかかりますが、短期譲渡所得と長期譲渡所得では税率が異なります。

短期譲渡所得の税率

所得税=30%

住民税=9%

復興特別所得税=所得税×2.1%

長期譲渡所得の税率

所得税=15%

住民税=5%

復興特別所得税=所得税×2.1%

短期譲渡所得と長期譲渡所得では所得税と住民税の合計で19%の差があります。さらに復興当別所得税は所得税額に応じて税額が決定します。

短期と長期では大きく税額が異なります。

「実際の所有期間が5年を超えているからと安心して売却したら、計算上は短期譲渡になってしまった…」

ということが無いように気を付けるようにしましょう。

譲渡所得の控除や特例

短期譲渡所得や長期譲渡所得について説明してきましたが、マイホーム(居住用財産)の売却であれば控除や特例を利用して税額が安くなったり、0になる可能性があります。

たとえばマイホームを売って1,000万円の短期譲渡所得が発生したとします。

短期譲渡所得の税率は所得税で30%、住民税で9%となりますので税額は以下のようになります。

所得税:300万円

住民税:90万円

復興特別所得税:6.3万円

合計:396.3万円

控除や減税制度を利用しないと400万円近くの税金がかかります。

しかし、マイホームの売却であるためいくつかの控除や減税制度が利用できます。

そのひとつとしてマイホーム売却の3,000万円控除があります。この制度はマイホームを売却した際の譲渡所得を最大3,000万円まで控除する制度です。

先ほどの例でこの制度を利用すると1,000万円の譲渡所得をゼロにすることができます。ゼロになれば所得税や住民税は当然発生しません。

他にもマイホームに対する減税や控除はかなり充実していますので、条件にあったものを必ず利用するようにしましょう。

まとめ

不動産を売却して得た利益のことを譲渡所得といいいます。

譲渡所得には短期譲渡所得と長期譲渡所得の2種類があります。

短期と長期では税率が大きく異なり、税率の差が19%もあります。

マイホーム売却の場合は控除や減税制度が充実しているので譲渡所得を抑えることができます。

 - 不動産の税金